ポストCookie時代で成功するには 〜 自社データの活用 〜

ストラテジックサービス SVP  マイケル・シルバーマン著

Googleより、関連するプライバシコントロールや、今春にも3rdパーティCookieの代わりとなり得るFLoC(Federated Learning of Cohorts)を含む、プライバシーサンドボックスの検証に関する計画が発表されました。これは同社が1年前に発表した「3rdパーティCookieの段階的廃止」と同じくらい大きなニュースですが、Googleの次の動きを待っているだけでは、広告主もパブリッシャーも前進することはできません。2020年12月にマーケター・パブリッシャー・テクノロジープロバイダーの450人に向けて行われた、AroscopとBrand Equityによるアンケートの結果、3rdパーティCookie廃止に備えた対策を講じている企業はわずか8%のみであることがわかっています。

先日私はDCN Next:Summit の一環として、Digital Connect Nextのメンバーであるパブリッシャーの皆さんに、ポストCookie 時代をトピックとしてお話しさせていただく機会がありました。「Cookieがいつ無効になったとしても、自社サイトの顧客体験におけるパーソナライゼーション戦略をコントロールしていく必要がある。」とアドバイスしました。そして、「1stパーティデータを活用できるよう準備中と発言すること」と、「具体的な戦略を構築し、実践している」ということには大きな違いがあります。(67%のパブリッシャー企業が数ヶ月以内に始動すると答えています。)自社が保有するデータを最大限に活かし、パーソナライゼーションの新時代を切り開く為のヒントを以下でご紹介いたします。

1. ゼロパーティデータと1stパーティデータを収集し・管理する:3rdパーティCookieが無効になると同時に、重要性が増す2種類のデータが存在します。1つ目はサイト訪問時の行動トラッキングを通して、消費者に関するデータを取得する1stパーティデータ、2つ目は会員登録やサイト内のフォーム、アンケート、アカウント設定などの、明示的なデータ獲得方法で顧客が自ら提供するゼロパーティデータです。

これらのデータに関する以下の質問に答えてみてください。

  • ゼロパーティデータ、もしくは1stパーティデータをどのくらい保有していますか?
  • どのようにこれらのデータを取得・格納していますか?
  • これらのデータを活用して、セグメント作成は簡単にできますか?
  • これらのデータを活用し、サイト上のターゲティングと外部広告システムのターゲティングが可能ですか?
  • 現在有効活用できているゼロ・1stパーティデータはどのようなものですか?

2. 適切なカスタマージャーニーで適切なデータを収集する:上記の質問に回答いただくことで、見えてきた貴社のデータ収集や管理に対する課題点は、どのように解決していけば良いでしょうか。ゼロパーティデータをより多く収集する為には、運営サイトのコンテンツやユーザー体験の強みと弱みを見つけだし、それが貴社にとって重要なユーザーたちにどのように影響しているのかを理解する必要があります。ユーザーが貴重な個人情報を自ら提供するには、相応の動機付けが必要だからです。ユーザーに情報提供をお願いする良い例として以下が挙げられます。

  • ローカルニュースや天気予報の取得目的による郵便番号の提供
  • 誕生日特典を受ける為の生年月日の提供
  • パーソナライゼーションやニュースレター登録での興味関心データの提供
  • アンケートや欲しいものリストなどによる興味関心データや意見、購入予定の商品データ等の提供

ユーザージャーニーのフローを振り返る時、ユーザーにデータ提供をお願いするのに相応しい場面が必ずあるはずです。1度に全てのデータを獲得しようとすることは避け、ユーザーが会員登録する際に2種類のデータ、鍵付きコンテンツのアンロック時に、新たに2種類のデータ提供をお願いするようなイメージです。読みたいコンテンツにアクセスする為に12の質問に答えたいと思うユーザーはいないでしょうから、少しづつ収集することがポイントです。

3. 自社データを活用してターゲティングを行い、類似したユーザーを見つける:ユーザージャーニーを調整する為の戦略が構築されたら、ゼロパーティデータと1stパーティデータの収集やセグメント化、また、それらのデータを活用できるテクノロジーが必要になります。これにより、広告主へのセグメント提供や、自社のマーケティング戦略におけるターゲティングが可能になります。Lookalike(類似)モデリングは、セグメント内のユーザーと共通した特徴や行動データを持つ他ユーザーを探し出し、リーチを拡大することができます。限られた量のデータをより多くのオーディエンスに適用することで、正確なセグメントを作成することができ、広告費用をもっと効率的に使用することができるようになります。

GoogleのFLoCや、その他のIDベースのポストCookieを多くの企業が期待しているかもしれませんが、パブリッシャーにはそれを悠長に待っている時間がありません。3rdパーティCookieが無効化された世界では、読者との関係性を深めることが極めて重要になります。そしてそれは現在まで育成してきたアクティブ・ロイヤルユーザーからゼロパーティデータ・1stパーティデータを収集することから始まります。この戦略はレガシーテクノロジー廃止に向けた準備だけでなく、将来的な他業界の変化にも応じることが可能となるでしょう。