欧州金融機関ラボバンクによる Piano Analytics 移行事例のご紹介

オランダの大手金融機関であるラボバンクが、Google Universal Analytics (別名Google Analytics 3/GA3、以下UA)から、Piano Analyticsに移行を決めたきっかけが、ヨーロッパ全土で施行されたデータプライバシー規制でした。この技術的かつ戦略的な移行は単なる「ツールの変更」とは違い、コンプライアンス準拠や、データに基づいた意思決定を促すために、同組織の分析フレームワークを包括的に見直す必要がありました。 移行は「準備段階」と「実装段階」に分けられ計画・実施されました。本動画では、ラボバンクのカスタマーエンゲージメント部門プロダクトマネージャーである Steven Leever氏が移行プロジェクトのそれぞれの段階について振り返ります。

準備段階

  • コンプライアンスに準拠した意思決定:オーストリア、フランス、イタリアなどの当局が、UAをEUのデータプライバシー規制に準拠していないとみなし、データプライバシー違反の懸念が生じたことでこの移行は開始されました。この規制に準拠する適切なアナリティクス・ソリューションを見つけるべく、徹底的な市場評価が実施された結果、Piano Analyticsが選ばれました。
  • 戦略的計画とステークホルダーのエンゲージメント:既存の設定からPiano Analyticsへの移行に関する、デジタル分析の詳細なランドスケープが作成された際には、内部の様々な部署に属するステークホルダーと密に連携し、この移行に向けた同意と準備を行うことが必要不可欠でした。様々な部署を横断した共同作業によって、移行の目的を達成することができました。
  • 技術的準備:2019年、技術的な準備として、ラボバンクのさまざまなウェブサイトのデータレイヤーを標準化し、ベンダーに依存する必要性をなくす措置が行われました。先立って行われたこの措置が功を成し、データインフラに大幅な変更を加える必要がなかったため、移行がスムーズに進みました。データレイク、ダッシュボード、レポーティングを管理する複数の部署間での連携は、新システムの準備のために欠かすことのできないものでした。

 

実装段階

  • 基礎となる計測フレームワーク:包括的な計測フレームワークを行うことにより、スムーズな実装が実現しました。具体的には、データレイヤーの設定や、新しいシステムでどのように計測がなされるのかという点について、内部チームに詳細な周知をしました。このフレームワークは、ラボバンクが今まで蓄積してきたデジタル資産の測定基準を標準化することに大変役立ちました。
  • 教育とトレーニング: 特にマーケティングチームとエンジニアチームの従業員に対して、Piano Analyticsに関するトレーニングを重点的に行いました。トレーニングでは、UAとPiano Analyticsの違いや、既存のダッシュボードの移行方法、新しいカスタム指標やレポートの設定方法などを学びました。
  • 継続的な改善のためのフィードバックループ:計測に関するフレームワークは、デジタル分析の改善を目的としたフィードバックのサイクル構築と並行して開発されたため、製品チームは特定の測定ニーズやインサイトに含めるべき項目について効果的に議論することができました。こうしたアプローチの実施により、アナリティクスのセットアップが効果的かつ法令に則ったものとなっただけでなく、分析を基にした施策考察ができるようなインサイトが提供できるものとなりました。

 

ラボバンクのPiano Analyticsへの移行プロジェクトは戦略的計画と実行という観点から、規制要求と社内のニーズにバランスよく適応した成功事例です。綿密な計画、ステークホルダーの協力体制、トレーニングへの取り組みを通じて、データプライバシー規制に準拠した効果的なデジタル分析の新たな基準を打ち立てたと言えるでしょう。