ウェブサイト上で匿名ユーザーのLTVを高める3つの秘訣
貴社が獲得した有料購読ユーザーは、大抵は検索やSNSから流入した一見ユーザーからスタートしています。どのような施策を打つことで、ユーザーのLTVが上がるのかをご紹介します。
ユーザーを会員登録や、サブスクリプション契約へと導くファーストステップとして必要なことは、先ずエンゲージメントを構築し、さらに広告価値をを向上させる為に、ユーザーについての理解を深めることです。
サブスクリプションオファーを提供するには時期尚早な一見ユーザーは、どのように価値を高めていけば良いのでしょうか。
アドブロック対策
ウェブブラウザ上で広告と認識されるコンテンツを削除または非表示にするのがアドブロックですが、これを使用するユーザーは徐々に増加しています。このツールを使用することにより、ページ、動画、ポップアップ、フッターバナー、バナーなど、さまざまな広告が表示されなくなります。
アドブロック検出ツールを導入することで、サイト訪問したユーザーがアドブロックを使用しているかどうかを知ることができます。そのユーザーにアクセス制限やメッセージングを行い、アドブロックの無効化を促すことができます。
アドブロックは一部のトラフィックをトラッキングできなくすることもあるため、ユーザーにアドブロックの無効化を促すことで、アドブロック利用ユーザーのウェブサイトの滞在時間、ページビュー、コンバージョン率、直帰率などの定量的なデータも把握できます。これらの指標は、広告枠の価値を高め、他のエンゲージメント戦略やパーソナライゼーション施策に活用することができます。
オーディエンスのセグメント化
匿名ユーザーであっても、オーディエンス・セグメントを作成するための行動データを収集することが可能です。訪問ユーザーが使用しているデバイス、流入元、利用ブラウザ、どのようにコンテンツを閲覧しているかの傾向などといったインサイトが含まれます。
例えば、あるユーザーはランチタイムに貴社のホームページのコンテンツをタブレットを使用して閲覧している、あるいは仕事が終わった後ににソーシャルメディアからアクセスするユーザーがいる、あるいは毎朝新しいスポーツ記事を読んでいるユーザーがいる、といったような情報が分かる可能性があります。
これらの情報を使用してユーザープロファイルを構築し、匿名ユーザーに一意の識別子を割り当てて、クロスデバイスで認識することができます。何らかの傾向やパターンが特定できたら、これらのプロファイルをセグメント化することで、広告エコシステムにおけるオーディエンスの価値を最大化したり、パーソナライズされたエンゲージメント施策において、そのセグメントをターゲティングすることが可能です。
ユーザーエクスペリエンスのパーソナライズ
ウェブサイトの訪問者一人ひとりにパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することは、ユーザーのエンゲージメントとサイトに対する親近感を増強させるための大きな一歩となります。
匿名ユーザーにおいては、コンテキストデータ(文脈データ)の使用することが可能です。例えば、あるユーザーが新しいレストランの開店に関する記事を読んだ場合、そのユーザーがその類の記事に関心を持っていると想定できるため、別のレストランのレビューや特集記事をお勧めすることができます。
また、複数のアルゴリズムをバランスよく組み合わせた、自動最適化レコメンデーションでパフォーマンスを向上させることもできます。Pianoのベンチマークデータによると、手動で最適化したコンテンツ・レコメンデーションと比較して、自動最適化したレコメンデーションのCTRの中央値は99.7%増加したことがわかっています。これはパブリッシャーがパーソナライゼーション施策を活用してエンゲージメントを向上させる大きなチャンスと言えるでしょう。
施策のテストと定義
匿名ユーザーを引き込むために初期戦略を立て、A/Bテストを行うことで、どの施策が貴社にとって有効なのかを判断することができます。
ライトユーザーの段階でテストしておきたい項目:
- アドブロックの無効化を促す際にどのようなメッセージが効果的か
- 行動特性に基づいてセグメント分けした各ユーザーグループの広告価値
- コンテキストデータによるコンテンツ・レコメンデーションと自動最適化されたコンテンツ・レコメンデーションのパフォーマンスの比較
継続的にテスト、調整、最適化を通して施策を改善していくことで、施策は常に新しく効果的なものであり続けます。小さな工夫や調整の積み重ねが、やがてユーザーエンゲージメントを大きく向上させ、サイト訪問者のファネル通過のスピードアップと、顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めることが可能となるのです。